気管カニューレのあれこれ
コーケンネオブレスのラインナップと活用法 〜適応に応じた最適な選択のために〜
気管切開管理において、患者の病態やQOLに合わせたカニューレ選択は極めて重要です。本記事では、患者の多様なニーズにお応えする「コーケンネオブレス」の4つのラインナップと、その臨床的な活用ポイントについて解説します。
1. 4つのタイプと臨床的適応
コーケンネオブレスは、患者の呼吸状態・喀痰量や、発声へのニーズに応じて選択できる4つのタイプを展開しています。
| タイプ /機能 |
カフ | 上部吸引 | 内筒 | バルブ +側孔 |
内部吸引 | 主な適応例 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 単管 | 〇 | 〇 | × | × | × | 喀痰等が比較的少なく、厳密な呼吸管理を要する、あるいは誤嚥リスクがある患者 |
| 複管 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | 喀痰等が比較的多く、内腔の閉塞予防を重視する呼吸管理を要するあるいは誤嚥リスクがある患者 |
| スピーチ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 呼吸管理を要するあるいは誤嚥リスクのある患者の中で喀痰管理と同時に、発声可能な患者 |
| ダブル サクション |
〇 | 〇 | × | × | 〇 | 呼吸管理を要する吸引頻度が非常に多い、神経筋疾患の患者 |
単管タイプ(文字:●グリーン)
ベーシックなカフ付きモデルです。
内筒がない分、内腔を大きく確保できるため、呼吸仕事量の軽減が期待できます。
複管タイプ(文字色:●ブラック)
ベーシックなカフ付きモデルです。
内筒がない分、内腔を大きく確保できるため、呼吸仕事量の軽減が期待できます。
内筒の交換が可能なため、カニューレ自体の交換頻度を抑え、患者様の負担や医療従事者の感染リスクを軽減します。一方で、内径は単管より狭くなる点に留意が必要です。
内筒
単管と複管の内径の比較
スピーチタイプ(文字色:●ブルー)
複管の機能に「発声用バルブ」と「側孔(窓)」を加えたカニューレです。
吸気はカニューレから、呼気はバルブが閉じることで側孔を通って声帯へ流れる仕組みです。
※喉頭機能が残存し、意識が明瞭であることが条件となります。
ダブルサクションタイプ(文字色:●オレンジ)
通常の上部吸引に加え、カフ下部に貯留した分泌物を吸引できる内部吸引チューブを装備しています。
カテーテル吸引と併用することでカテーテル吸引の頻度を少なくすることが期待されます。
また、人工呼吸器を離脱せずに吸引が可能となり、医療従事者と患者の負担軽減に寄与します。
2. コーケンネオブレス独自の共通仕様
全てのタイプにおいて、臨床現場での使いやすさと安全性に配慮した設計がなされています。
低刺激設計:パイプに上部吸引ルーメンを内蔵しています。外付けの吸引ラインと異なり、気管への物理的な刺激が軽微であるのが特徴です。また、比較的小ぶりな円弧カーブを採用しています。
視認性の高いフレーム表記:フレームの向かって左側には「タイプ名」と「会社ロゴ」、向かって右側には「OD(外径)」と「ID(内径)」が上述識別色にて印字されています。
※複管タイプおよびスピーチタイプでは、外筒の内径ではなく内筒の内径(IC-ID)が表記されている点にご注意ください。
左から単管タイプ、複管タイプ、スピーチタイプ、ダブルサクションタイプ
3. サイズ選定のポイント
コーケンネオブレスのサイズ選定において留意すべき点は、パイプの断面が「楕円形状」であることです。
より安定した気道確保を目的として、「短径」を基準にサイズを選定することを検討してください。ただし、挿入時の気管孔への負担や気管損傷を避けるため、現在使用中のカニューレのフィッティング状況や、患者の気管径を十分に考慮し、総合的に判断することが推奨されます。
まとめ
コーケンネオブレスは、4種のラインナップ毎に外径ベースで8.0mm〜13.0mmの6サイズを展開しています。単なるサイズ選択だけでなく、患者様の病態に応じたタイプ選定やタイプ特性を理解したカニューレ管理が非常に重要です。
詳細なサイズスペックや製品カタログについては、下記リンクよりデジタルカタログをご参照ください。
