気管切開 カニューレガイド

気管カニューレのあれこれ

【保存版】気管カニューレの基礎知識:構造と6つの主要機能の徹底解説

気管切開管理において、患者様の病態や目的に応じた適切な気管カニューレの選択は、安全確保とQOL向上の両面で極めて重要です。

本記事では、気管カニューレの基本構造から、製品選択のポイントとなる「6つの機能」について、改めて詳しく解説します。

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1. 気管カニューレの基本構造

気管カニューレは、大きく分けて「カフ付き」と「カフなし」に大別されます。種類が多く複雑に見えるかもしれませんが、基本的な構成要素は共通しています。

カフなしカニューレ

カフ付きカニューレ

カフなしカニューレ

カフなしカニューレ

●すべての気管カニューレに共通する構造

気管カニューレはパイプとフレームを基本構造としています。

パイプ:「呼吸ルート」となる湾曲した管の部分(一部ストレートや特殊形状の製品あり)です。

フレーム(フランジ):頸部への固定および気管への脱落防止を目的とした部位です。

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●気管カニューレ各部の名称

後述する6つの主な構造(機能)のほか、多くの気管カニューレには挿入を容易にするための「オブチュレーター(スタイレット)」やカフの膨らみ具合を外部から視認するための「パイロットバルーン(インジケーターカフ)」など、安全性と操作性を支えるパーツも装備されています。

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2. カニューレの選択と管理の鍵となる「6つの構造(機能)」

気管カニューレの多くは、以下の6つの構造的特徴の有無によって分類されます。患者の呼吸状態、喀痰の量、発声の希望などに応じて、これらを組み合わせて最適な製品を選択します。また、患者が使用している気管カニューレの6つの構造的特徴を理解して管理することが重要です。

6つの構造
① カフ
役割:
気管上部と下部を分離するためのバルーンです。これにより人工呼吸器などによる陽圧呼吸が可能となり、喀痰・誤嚥物等の下気道への落ち込みも抑止します。
適応:
人工呼吸器管理が必要な場合や、誤嚥のリスクが高い症例などで選択されます。
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② 上部吸引機能
役割:
カフ上部に貯留した喀痰等を吸引するための機能です。カフ直上に設けられた吸引孔とパイプ内吸引ルーメン(一部製品は外付け吸引ライン)と吸引ラインで構成されます。
適応:
喀痰がある、あるいは誤嚥の恐れがあり、カフ上部の吸引が必要な患者が適応となります。カフ上部からの垂れ込みによる誤嚥性肺炎等を予防したい場合に有効です。
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③ 内筒(インナーチューブ)
役割:
カニューレ本体を気管に留置したまま、内筒のみ取り外して交換が可能となります。
適応:
喀痰等が多く、カニューレの閉塞リスクが高い患者に適しており、内筒の詰まりを予防します。またカニューレ自体の交換頻度を減らす効果もあります。
内筒を装着した状態

内筒を装着した状態

内筒を取り外した状態

内筒を取り外した状態

内筒

内筒

④ 側孔(窓)
役割:
パイプの背面に開けられた穴で、呼気を上気道へ導きます。発声用バルブと共に用います。
適応:
発声あるいは発声訓練を行いたい患者が対象です。
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⑤ 発声用バルブ
役割:
吸気時は開き、呼気時は閉じる一方向弁です。側孔付きカニューレに用います。
適応:
発声あるいは発声訓練を行いたい患者が対象です。
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⑦ 15Mコネクタ
役割:
フレーム全面中心部にある15mm径の円柱状のコネクタです。各種呼吸器関連デバイスの接続が可能です。
適応:
呼吸器回路、人工鼻(HME)を装着する患者あるいは装着予定の患者。緊急時でのバックバルブマスクとの接続を想定する患者が対象です。
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まとめ

気管カニューレの選択は、これら6つの機能の有無をパズルのように組み合わせることで、症例ごとに最適化されます。例えば、「喀痰が多く、かつ発声も目指したい」場合は、「内筒あり・側孔あり」といった選択が考えられます。

各機能の特性を深く理解することは、トラブルの未然防止と、患者の早期回復への第一歩となります。詳細については医療従事者様に配布している冊子「気管カニューレの種類とその使い分け」をご請求ください。